売上は順調に伸びては行きましたが、会社の政策でどんどん支店を開設してきます。

そのため経費もかさみ、売上げの割には利益が出せていない状況でした。

するとオカタイマンが給与のアップ率と賞与を下げる案を提示してきました。

現場で働いている人からすれば売上も上げ、各支店では利益も出しているのに給与や賞与が抑えられることについて納得できないとモチベーションの低下となりました。しかし役員賞与は前年度アップとの情報もあり部下への説明が大変でした。

役員から全社員向けに説明をしてほしいとお願いしメールで現在の状況と来期に向けた計画を伝えてもらいましたが、誰も納得する人はいませんでした。

そうなると優秀な人ほど辞めていき、まあまあの人たちだけが残るようになります。すると今まで良いバランス関係だったのですが、優秀な人が辞めることでバランスが崩れ導入施設からクレームが増え対応に追われることとなりました。

そのようなこともあり順調に伸びていた会社の売上げも頭打ちとなります。

そのため、売上げの悪い支店は閉鎖する方向で話が進みます。

大手企業もシステムに改良を重ね当社製品とそん色ないレベルまで上げてきました。色々と施設でヒアリングをしていくと競合大手企業は当社製品を納めている施設へ出向き使っているシステムを動画撮影しているとの情報を得ました。もう大手のプライドもないですね。しかしそれでも商品力で勝負は仕掛けてこず色々と会社規模を使った提案を出し中小が入れなくする方法で攻めてきます。

当社も優秀な開発が辞めたり他部署へ異動があり、今まであった「痒い所に手が届く」と言われていたシステムが新機能は他社の後追いとなり市場評価がグッとさがりました。また斬新な機能が無く、このシステムが何を目指しているかわからないと古くから付き合いのある顧客から言われるようになりました。

各部門でも前向きに考え仕事をする人はスキルアップのため色々と勉強し成果を出そうとしますが、そのような人たちもモチベーションが下がり転職を検討する噂が流れてきます。

都銀から天下ってきたオカタイマンも社長に気に入られようとベッタリマングループに仲間入りし会議でズレた発言が目に付くようになってきました。

そのような中で一部上場企業との業務提携案が出てきました。この会社は当社が営業している業界には一切タッチしておらず、業界進出の一歩として業務提携していくことが決定しました。株式も30%ほど持つこととなります。

この上場企業から人員が派遣され営業本部や経理・総務部門でメスが入ることとなりました。

流石に長年上場企業を運営しているだけあって資料の作り方から会議の進め方まで勉強になることが多いです。

またこの上場企業もシステム開発部門があり、当社で手が回らなかった部分を補うとのことで開発部門にも参入してきました。

ただこの業界が未経験のため、出来上がったシステムは使用する人の意向を無視した仕様で作っていました。